これからの「男の育休」の話をしよう〜男性の育休取得のリアル・前編(育休取得まで)




こんにちは。じゃけおです。
タイトルは言いたかっただけです。

だいぶ時間が空いてしまいましたが、先日、みゆまむ@時短ワーママブロガーさん(@miyumam2525)に「パパブロガー紹介企画」として僕のブログを紹介してもらいました。
”仮想対談形式”ということで、いくつかの質問に答える形で
自分が男性として育児休業を取得した経緯や、取得中の過ごし方などを答えさせていただきました。
みゆまむさん、ご紹介いただきありがとうございました!

この対談に答えることで、どうして自分は育休を取ろうと思ったんだっけ、
最初からそんなこと考えてたっけ、というところを整理することができました。
そこで、この対談の完全版(?)ということで
もう少し詳しく書きたいと思います。

はじめに言っておくと、僕の場合、育休を取ることに関して
会社と特に揉めなかったので、参考になる人もいれば、ならない人もいると思います。

はじめは育休取りたいとか特に思ってなかった

正直、はじめは育休を取るという発想自体ほとんどありませんでした。妊娠中、妻に育休を取ってほしいと言われたのがきっかけです。
「私ははじめての育児だし、ワンオペでやりきる自信がないから、育休取るか、時短にするかしてほしい」と。

育休という発想はありませんでしたが、そのときは「父親であるためにはどうするべきか」みたいなことを漠然と考え始めていた時期でした。
仕事からいったん離れて育児にフルコミットすれば、父になることができるかな、と思うようになりました。

世の奥様方。
夫側が自分から「おれ育休とるぜ!」と発案するパターンはかなりレアケースと思われますので、
ぜひ奥様のほうから「そういうひともいるのよ〜私ワンオペ自信ないよ〜」と言ってみましょう。
そして「産後クライシス」でツイート検索して出てきた方々を夫のツイッターアカウントにそっと入れておきましょう。

今思えば杞憂なのですが、もともと子どもとか、ペットとか、そういうコントロール不能な何かが自分と同じ空間にいるのが苦手なタイプで、そんな自分が子どもを育てられるのか、という不安がありました。
夜遅く帰宅したあとの寝顔しか知らないみたいな、中途半端な関わり方をすると、その苦手意識がいつまでも残るんじゃないか。
一日の大半を、物理的に一緒に過ごせば、それもなくなるんじゃないか。
そう考えるようになりました。

自分はIT企業勤務で、自分のいた部署が人の少ない部署だったこともあり、
そもそも納得してもらえるか、円満に取得できるかという不安もありました。
ただブラックな雰囲気ではなかったですし、
仮にそんなことも許されない会社だったら辞めるいいきっかけになるかなくらいに思っていました。
不安な方は「そんな社員いたらどうする??」くらいのノリで上司の方にスタンスを聞いてみてもいいかもしれませんね。

どうやって取得すればいちばん経済的負担が少ないか

育休のとり方にもいろいろあるので、どのくらいの期間、どういった形で取るかを夫婦で話し合いました。
キレイ事だけでは家計が回らないので、
収入、育児への参加度合い、仕事上のキャリアのバランスを考えました。

僕はこのブログで「男の育休と収入」について何度か書いているのですが、
なぜかというと、「男は概してクソつまんねぇプライドを持ってるから」なんです。
クソつまんねぇプライドというのは、「家に金を落とせない男は男じゃない」みたいな発想ですかね。女性側が持ってるケースもありますね。
僕も妻ももともとそういう思考ほとんどないんですが、夫側が育休を取ることによって、
「家に金を落とすことでイニシアチブを取っていたのに、それを奪われて居場所がなくなるのが怖い」と考える男性って結構多いと思うんですよね。
そういう方々のために、「そうでもないよ!そうでもないのに奥さんから喜ばれてみんなハッピーだよ〜〜」というのを伝えたいです。

この時点ではまだ検討段階なので、いろんな選択肢を出したのですが
初年度の手取りの収入(給付金も加味)について試算した結果、
それまでの「(フルタイム勤務+残業40時間)×12ヶ月」を1とすると、

  • フルタイム勤務(残業厳禁)×12ヶ月:0.75
  • 育休×6ヶ月+フルタイム勤務×6ヶ月:0.71
  • 育休×3ヶ月+フルタイム勤務×9ヶ月:0.73
  • 育休×3ヶ月+時短勤務×9ヶ月:0.57
  • 育休×12ヶ月:0.67

という結果になりました。

この試算から
  • 6ヶ月以内なら育休をとっても、給付金システムのおかげで”フルタイム(残業なし)”と変わらない。
  • 6ヶ月をこえるとやはり減り幅が大きくなる
  • 時短はやばい(育休よりも収入が減る)
ということがわかりました。
ちなみに「フルタイムと変わらない」のは、あくまで「それまでの残業が多かったから」ですのであしからず……。
とはいえこういうリアルなところがクリアになると、それまで以上に前向きに考えることができるようになりました。

また、在宅勤務も考えたのですが、いまの勤務先では原則認められておらず調整が難しそうというのと、
妻から「やってくれたら超ありがたいけど、フルタイム勤務しながら合間に育児はさすがに酷だ」という言葉をもらいまして、
今回は選択肢から外しました。

なんやかんや議論を繰り返して、
・育休×3ヶ月+フルタイム勤務×9ヶ月:0.73
という結論にいきつきました。

お金についてはこちらの記事でも詳しく書いています。

上司はあっけにとられながらも受け入れてくれた

夫婦で方針を決めたら、上司に伝えるフェーズに入ります。
上司に伝えたのは安定期をすぎて妊娠7ヶ月くらいだったでしょうか。

前述のとおり、人員も少ない部署で、残業はそれなりに多かったのでどういう反応をされるか不安でした。
ネットで調べるなかで会社が断ることができないのは把握していたので、拒否されたときのふるまいは一応考えておそるおそる報告。

上司の男性(ざっくり40歳前後)は二児の父ですが、奥様が専業主婦ということもあってか
わりと自由な休日を過ごしているタイプの方だったので、理解されるか微妙なところでした。

予想どおりといいますか、最初、上司はあっけにとられた顔をしてました。
まさかそんな話をされると思わなかったのでしょう。
「なんで?」「奥さんも休むんだよね?」みたいな反応でしたが
思いやら具体的な進め方をひととおり説明して理解してくれました。
歓迎とまではいきませんが、じゃあそのためにどうしよっかと、建設的に話を進めてくれました。

とはいえ上司自身も何をしたらいいかよくわからないという状況だったので、上司が仲の良い人事の人との仲介をしてくれたり、いろいろ手を尽くしてくれました。
その上の上司にも掛け合ってくれたりしたので、非常に感謝しています。

仕事を休むための口実と思われないために

男性で育休をとるという珍しい選択をした自分が意識したこととしては、「あくまで仕事は好きである」ということでした。
正直、当時の部署のまわりには、明らかにモチベーションが低く休みがちな人もいたので、休む口実に使ってるとは思われなくないという気持ちが強かったです。

育休開始までの期間は人一倍モチベーションを上げて仕事しました。
「こんなに仕事熱心なやつが取りたいというのだから、彼の人生の中でよっぽど重要な決断だったのだろう」と、そう思ってほしかったです。

今思えばそこまで気負いする必要もなかったのですが、取得者が過去に少なかったというのもあり、ネガティブなイメージはできるだけ払拭したかったです。

僕の場合は結果的に結構残業を伴って働いてしまったのですが、
妊娠中の女性は心身ともに不安定なので、逆に奥さんに嫌われることがないように注意しましょう!

前編まとめ

  • 自分から育休取りたいとは思ってなかった
  • 給付金を試算してみると、6ヶ月以内なら”フルタイム(残業なし)”と収入が変わらないことがわかり、取得に前向きになった
  • 上司は話せば理解してくれた(不安なら決める前にそれとなく相談してみよう)
  • 育休開始までの期間は人一倍モチベーションを上げて仕事することで、仕事を軽んじているわけではないことをアピールした

育児休業取得中と、復職後については、後編でお話したいと思います。

これからの「男の育休」の話をしよう〜男性の育休取得のリアル・後編(育休中・復職後)

それでは。